長野県長野市、長野盆地のほぼ中央に位置する長野市民病院は、病床数400床、診療科29を数える病院です。
昭和51年の市制80周年記念事業において、市民からの病院設置の声が第1位となり建設が決定されたという経緯から、地域に開かれた身近な病院として24時間365日、良質で安全な人間味あふれる医療を提供しています。
特にがん治療においては厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、治療に関する多くの有資格者によるチーム医療を行っています。
長野市民病院昨年、県より「地域医療支援病院」の承認を受け、周辺地域の個々の医院や診療所との連携によりますます市民と関わりのある病院になろうとする今、「地震の見張り番」導入によって地震災害に対する同院の姿勢の何がどう変わったのか、じっくりとお話をうかがって来ました。
晴れた青空の日には日本のマッターホルンとも呼ばれる北アルプスの槍ヶ岳が一望できるという、なんともうらやましい立地。都内の空気しか知らない人間にとってはここにいるだけで体の中が清らかになっていくよう。しかし、こんな落ち着いた土地でも地震と無縁ではありません。東日本大震災発生の翌日、3月12日に県境で発生した震度6強の長野県北部地震、また6月には、国宝松本城も被害を受けた震度5強の揺れを観測するなど、引き続き地震に対する警戒が必要であることは自明の理と言えましょう。
さて、今回お話をうかがったのは同院施設管理課施設係長の中澤通紀様。
まず、高度利用の緊急地震速報についてご存知であったかを質問するとこんなお答えが返ってきました。「はい、知っていました。減災効果がより見込める高度利用の緊急地震速報機やそのシステムを実際に見るため、今年5月に行われた防災EXPOに足を運びまして、その会場でセンチュリーさんのブースに立ち寄ったのが『地震の見張り番』とのそもそもの出会いです。
やはり高度利用の緊急地震速報機を導入するには、軽く数十万円の予算が必要だろうと最初からずっと思い込んでいましたから、『地震の見張り番』についての説明を受けたとき耳に飛び込んできた価格には、ものすごいインパクトを受けました。
とにかく、テレビ・ラジオや携帯電話といったメディア向けの一般向け緊急地震速報ですと、漠然とした情報しか分かりません。情報としてどの程度の揺れがいつごろ来るのかが分からないと、我々が避難指示を出すときに具体的な指示ができませんし、ひいては院内にいる人に適切な避難行動をとっていただくこともできません。」
過去のインタビューで高度利用の緊急地震速報をご存知だった方は初めて。ただし最近では、全国の国公私立学校に高度利用の緊急地震速報機を導入する動きもあり、その認知度は徐々に広まりつつあるようです。
価格のお話が出たので続けて「地震の見張り番」のコストパフォーマンスについてお訊きすると、「初期費用がCD-ROMパッケージ代の2,980円、あとは年間配信料3,780円で高度利用のサービスを受けられるというのは、非常に満足感があります。特に標準で装備されている訓練モードはいいですね。実は、10月に行われた防災訓練で早速この訓練モードを利用させていただきました。実際の発報と同じようにPCから音声と画面表示で発報されるので、今までになく緊張感のある訓練になりましたよ。この機能は定期的に防災訓練のある医療機関や学校で使用すれば、非常に効果を発揮すると思います。
その上、過去に発生した49件の地震データを使って訓練することもできますので、今後大地震が心配されている地域などでも、予想される地震に似た過去の記録を疑似体験することで、いざというとき少しでも落ち着いて行動できるのではないでしょうか。これは他のことにも共通して言えることですが、たとえすばらしい機能を兼ね備えたシステムを導入したとしても、日ごろの訓練でシステムを生かした適切な行動を習慣づけておかないと、結局は宝の持ち腐れになってしまいます。これからは緊急地震速報の内容を反映した避難マニュアルを作成し、『地震の見張り番』とともに少しでも減災につながる対策をとっていきたいですね」と中澤様。どうやら「地震の見張り番」は、地震に負けない病院作りのお役にも立っているようです。
また病院という場所柄を考慮し、「地震の見張り番」に期待することをお聞きしました。
「患者様をお守りするのはもちろんのこと、2次災害、3次災害への被害拡大を防ぐためにも、我々病院関係者がダメージを負い、震災後に病院が機能しなくなるような事態は絶対にあってはなりません。震災後、医療機関は設備的にも人的にも大変厳しい状況になることが想定されますが、どのような状況下であろうと病院機能を維持するために、人的被害への減災効果が見込める『地震の見張り番』には非常に期待しています。」
そして最後に、「地震の見張り番」の長所と短所について率直なご意見をお願いしました。
「長所は既存のPCが速報端末になる、モニターに震度と到達秒数が表示されるので視認しやすい、PCなので操作しやすい、発報する震度を設定できる、訓練モードがある、導入費用とランニングコストが非常にお手ごろという点です。短所をあえて挙げるのであれば、ファイヤーウォール等のセキュリティー設定をしていると、インターネット回線上で速報の受信に制限がかけられるという点ですね。まあこれは、他社の高度利用速報機を導入したとしても同様に起こりえた問題ではありますが。ちなみに、今後はタイムリーに情報を共有していくため、本院の中央監視室や他部署にも『地震の見張り番』を導入していきたいと考えています。」
病院内で患者さんが頼れるのは医師や看護師をはじめとする医療スタッフ、病院関係者の方々です。仮にその頼りにしている人のほとんどが震災時ケガで動けなくなったら、患者さんはいったい誰を頼りにすればいいのか。そんな誰もが分かっているようで見落としていた点に今回気付かされました。そうならないためにも、万一の際は地震に立ち向かわなければならないという中澤様のお言葉に、医療に携わる方々への尊敬の念を新たにしたインタビューとなりました。
命を救う場所で、その場所に集まる命を守るために採用していただいた「地震の見張り番」。地震の根絶はできませんが、病気と同じように「地震の見張り番」で地震の早期発見、早期対応を行ってくださることを期待しております。